2007年10月18日
親指の米
秋ですね。
朝晩、すっかり冷え込むようになりました。
先週、いつでしたか小雨の煙る肌寒い日に、とうとう囲炉裏に火を入れました。
火を焚くというのは楽しいことですから、一度始めてしまうとついつい、そんなに寒くない日もやっぱり火を焚いて、かんかんに燃え盛る炭火を前に、タンクトップで過ごしたりなどしております。
きっとこのまま、冬になってしまうのでしょうね。
私、仕事で扱うのは通年半袖のTシャツのみですから、自然、この季節、暇であります。
仕事が暇であることは困るようにも思われますが、しかし、普通に考えて、冬に半袖が売れる訳がありません。
売れる訳がないものが売れないからといって、やきもきするのはおかしな話で、ですから私、
心は澄み渡った秋空のように、むしろこの季節、せっせと集めたどんぐりを、土の中から掘り起こし、
口いっぱいにこれを頬張る、そんな幸せを感じて日々過ごしております。
で、暇になって何をしているかと言いますと、家の掃除をしております。
それから日曜大工。あとはお出掛け。
ほぼ、この3つの行動で、短くなった秋の日が暮れていきます。
私のうちは、家の中のほとんどが板張りでして、板張りといいましても、いわゆるフローリングといった洒落たものではなく、白く粉を吹いた年季の入った板であります。
ですから雑巾をかけると、そこだけ乾いた板が水を吸って、木本来の茶色い色に戻ります。
四つ這いになってうんうんとこれを続ける内に、そもそもは床をきれいにすることが目的であったはずが、いつの間にか、木の色を茶色くすることが目的にすり替わっている、なんてことがよくあります。
こういうすり替わり、日常的に、実によく見られるものでして、その大半の要因は、慣れと楽であります。つまり、単純で、面白くもなんともない、加えてしんどい作業において、発生しやすい現象です。
最近、たまたま予定が重なりまして、立て続けに3つの温泉宿に泊まりました。
私の場合、宿泊する2、3日前に慌てて宿を探すといったことが多いですから、まあ、空いている宿といえばろくなものがありません。
最近の傾向では、例えば、離れの露天付き、一泊3万円、なんて上等な宿のほうが早くなくなるようでして、一泊1万円、何々温泉ホテル、なんていうのはそれほど人気がないようです。
実際こういう宿って、何のお得感もありませんものね。
で、私もこういうお得感のない宿に泊まるくらいなら、お金が勿体ないですから、むしろボロボロの民宿でよい訳でして、しかし、土に埋まったどんぐりがいっぱいある内は、ボロボロの民宿よりも、離れの露天付きのほうが尚よいのです。
しかしこれが、2、3日前ではなかなか取れないのです。
ところが、河口湖のとある宿で、たまたまキャンセルが出まして、先日、私、急遽泊まりに行ってまいりました。
この宿、離れではありませんでしたが、ふた間続きの露天付き、木の香りがぷんと漂う、新しいお宿でした。ちなみに宿代は、一泊3万いくらと、結構な値でありました。
この宿に関して、行く前から気になっていたことがありました。
それは、インターネットの口コミ情報、実際にこの宿に泊まった人達の感想ですね、これを拝読したのですが、大方は大変満足といった趣旨のものでしたが、その中にひとつだけ、こんな投稿があったのです。
夕食の時、仲居さんが、お茶碗の内側に親指を掛けて配膳しました。
ちょっと信じられないと思って見ていると、お終いには、ご飯を盛ったお茶碗も同じように差し出して、その親指にお米がついてしまう始末でした。他が良かっただけにとても残念でした・・。
ええっ、そんなことってあるだろうか?
一泊4万円近くもする高級お宿で、仲居さんの親指に米?
白米にずっぽりと、親指の形をした穴が開いた衝撃的な想像に、私、俄然わくわくとしてまいりました。
で、実際の夕食で。
私、仲居さんの配膳から目が離せませんでした。
今か今かと待ち焦がれるように、黙ってじっと見守りました。
おかずの内容なんて、もう、どうでもいいくらいでした。
仲居さんにも、ピンからキリまであるでしょうから、この人が、果たして例の親指姫とは限りません。
しかし、ここまで遥々やって来たからには、どうしてもやってもらわなくては困る。
私すでに、そんな気持ちになっておりました。
結果は、親指に米、とまではいきませんでしたが、やはり、お茶碗の内側に指を掛けて配膳する、
という投稿は間違いではありませんでした。
まあ、7割方、満足のいく結果でした。
この仲居さんの給仕、例のすり替わりに違いありません。
客をもてなすという本来の目的が、卓の上に茶碗を並べるという、ただそれだけの作業にすり替わってしまっているのです。
仲居さんにしてみれば、元々がお給金のための仕事ですから、もてなすという気持ちにしたって大したものはないのかも知れません。しかし、ひとつの宿としてみれば、結局は、これは忌々しき問題のあるすり替りが起こってしまっているのです。
経営者は、頭が痛いだろうなぁ、と思います。
朝晩、すっかり冷え込むようになりました。
先週、いつでしたか小雨の煙る肌寒い日に、とうとう囲炉裏に火を入れました。
火を焚くというのは楽しいことですから、一度始めてしまうとついつい、そんなに寒くない日もやっぱり火を焚いて、かんかんに燃え盛る炭火を前に、タンクトップで過ごしたりなどしております。
きっとこのまま、冬になってしまうのでしょうね。
私、仕事で扱うのは通年半袖のTシャツのみですから、自然、この季節、暇であります。
仕事が暇であることは困るようにも思われますが、しかし、普通に考えて、冬に半袖が売れる訳がありません。
売れる訳がないものが売れないからといって、やきもきするのはおかしな話で、ですから私、
心は澄み渡った秋空のように、むしろこの季節、せっせと集めたどんぐりを、土の中から掘り起こし、
口いっぱいにこれを頬張る、そんな幸せを感じて日々過ごしております。
で、暇になって何をしているかと言いますと、家の掃除をしております。
それから日曜大工。あとはお出掛け。
ほぼ、この3つの行動で、短くなった秋の日が暮れていきます。
私のうちは、家の中のほとんどが板張りでして、板張りといいましても、いわゆるフローリングといった洒落たものではなく、白く粉を吹いた年季の入った板であります。
ですから雑巾をかけると、そこだけ乾いた板が水を吸って、木本来の茶色い色に戻ります。
四つ這いになってうんうんとこれを続ける内に、そもそもは床をきれいにすることが目的であったはずが、いつの間にか、木の色を茶色くすることが目的にすり替わっている、なんてことがよくあります。
こういうすり替わり、日常的に、実によく見られるものでして、その大半の要因は、慣れと楽であります。つまり、単純で、面白くもなんともない、加えてしんどい作業において、発生しやすい現象です。
最近、たまたま予定が重なりまして、立て続けに3つの温泉宿に泊まりました。
私の場合、宿泊する2、3日前に慌てて宿を探すといったことが多いですから、まあ、空いている宿といえばろくなものがありません。
最近の傾向では、例えば、離れの露天付き、一泊3万円、なんて上等な宿のほうが早くなくなるようでして、一泊1万円、何々温泉ホテル、なんていうのはそれほど人気がないようです。
実際こういう宿って、何のお得感もありませんものね。
で、私もこういうお得感のない宿に泊まるくらいなら、お金が勿体ないですから、むしろボロボロの民宿でよい訳でして、しかし、土に埋まったどんぐりがいっぱいある内は、ボロボロの民宿よりも、離れの露天付きのほうが尚よいのです。
しかしこれが、2、3日前ではなかなか取れないのです。
ところが、河口湖のとある宿で、たまたまキャンセルが出まして、先日、私、急遽泊まりに行ってまいりました。
この宿、離れではありませんでしたが、ふた間続きの露天付き、木の香りがぷんと漂う、新しいお宿でした。ちなみに宿代は、一泊3万いくらと、結構な値でありました。
この宿に関して、行く前から気になっていたことがありました。
それは、インターネットの口コミ情報、実際にこの宿に泊まった人達の感想ですね、これを拝読したのですが、大方は大変満足といった趣旨のものでしたが、その中にひとつだけ、こんな投稿があったのです。
夕食の時、仲居さんが、お茶碗の内側に親指を掛けて配膳しました。
ちょっと信じられないと思って見ていると、お終いには、ご飯を盛ったお茶碗も同じように差し出して、その親指にお米がついてしまう始末でした。他が良かっただけにとても残念でした・・。
ええっ、そんなことってあるだろうか?
一泊4万円近くもする高級お宿で、仲居さんの親指に米?
白米にずっぽりと、親指の形をした穴が開いた衝撃的な想像に、私、俄然わくわくとしてまいりました。
で、実際の夕食で。
私、仲居さんの配膳から目が離せませんでした。
今か今かと待ち焦がれるように、黙ってじっと見守りました。
おかずの内容なんて、もう、どうでもいいくらいでした。
仲居さんにも、ピンからキリまであるでしょうから、この人が、果たして例の親指姫とは限りません。
しかし、ここまで遥々やって来たからには、どうしてもやってもらわなくては困る。
私すでに、そんな気持ちになっておりました。
結果は、親指に米、とまではいきませんでしたが、やはり、お茶碗の内側に指を掛けて配膳する、
という投稿は間違いではありませんでした。
まあ、7割方、満足のいく結果でした。
この仲居さんの給仕、例のすり替わりに違いありません。
客をもてなすという本来の目的が、卓の上に茶碗を並べるという、ただそれだけの作業にすり替わってしまっているのです。
仲居さんにしてみれば、元々がお給金のための仕事ですから、もてなすという気持ちにしたって大したものはないのかも知れません。しかし、ひとつの宿としてみれば、結局は、これは忌々しき問題のあるすり替りが起こってしまっているのです。
経営者は、頭が痛いだろうなぁ、と思います。
Posted by wajin at 10:41│Comments(0)│TrackBack(0)
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