2008年06月03日

再び屋根裏 1

 最近また、屋根裏ばかりをいじくっております。
梅雨が始まったかのかと思わせる、連日の雨。
屋根裏の小窓から覗く青笹が、しんなりと、とてもきれいです。

 勢いに任せてやらないと、途中で挫折して、後がなかなか進まない。
そんなことって、よくありますね。
 始めれば、終わる。
そう信じて、以前は、やりたくないことでもとにかく始めてしまえば終わる、
ですから私、始めた途端に、「終わったぁ」と思うことにしておりましたが、最近、そうもいきません。
頓挫というものを覚えてしまいました。
何事も、中途で止めてばかりおります。

 しかし、好奇心というものは、大概、旺盛ではないものです。
 すべてのものには、当然、それぞれの奥深い世界というものがありまして、つまり好奇の対象は、
数限りなくあるはずですが、そんなに色々な事に、興味って湧きませんよね。

 例えば、蕎麦の世界。これは結構、混み合っておりますね。

 以前見たテレビの番組。
有名な蕎麦の評論家が、長野か何処かの、蕎麦打ち名人の店に蕎麦を食いに行きます。
 撮影のため貸切ったと思われるガランとした店の中で、この評論家、ズズズッーと、確かに威勢の良い音を立て、とても旨そうに蕎麦を啜ります。
蕎麦を知り尽くした熟年の錬味、そんなものを感じさせます。
 レポーターが、どうですか? と尋ねますと、箸を置き、茶を啜り、コホンとひとつ咳をしてから、
「いい腕です。あっぱれ」
なんて、言いました。

 一方で、蕎麦を打った方の名人。これも、この界隈では名の知れた人物です。
ですから今日は、改めて言うまでもなく、名人同士の「ぶつかり合い」です。
 で、この名人。
厨房の入り口から半身を乗り出し、相手の様子を探ったりして、随分と弱気です。
 裏で煙草でも吸って、ついでに紹興酒でも舐めたりしてればよさそうなものですが、きっと評論家の方が格が上なのだと思います。言ってみれば、固唾を呑んで見守っている、そんな風でした。
 こちらにも、やはりレポーターがおりまして、どうですか、今の心境は?とマイクが向けられました。
するとこの格下名人、
「さすがです。蕎麦を啜る音が違います」と、言いました。

 これ、なんだかピントのずれた褒め方だと思うのですが、どうでしょうか。
それともこの世界、これで良いのでしょうか。
確かに蕎麦を啜る音って、格好良くやりたいなぁ、と、私も常々思います。

 蕎麦を啜る音でその人物が分かる。
何事の世界も、奥が深くて難しいものだなぁ、と思いました。


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