2008年01月21日

料理

 皆さんは、料理はしますか?
私は好きで、よくやります。
 どういう料理を作るのかと申しますと、時間がかかる料理、ですから主に煮込みの類ですね、
もつ煮とか、ビーフシチューとか、とにかく煮れば煮るほど肉なんかが柔らかくなって、旨味が出る、
そんな料理が好きであります。
こういう料理を作っていると、2時間や3時間は当たり前に、コンロの前で過ごします。

 で、どうしてこの手の料理が好きなのかと申しますと、それはバイオリズムと大いに関係があります。つまり、何事にもやる気がなく、気持ちがひたすら停滞している時、そんな時こそ、料理です。

 煮込み料理の素晴らしさは、勿論、手を掛ければ掛けるだけ美味しいものが出来上がる、ということなのでしょうが、しかし私の場合は、それはあくまで二の次でして、要は時間の使い方なのです。
 やらねばならないことが沢山ある。
 やっておいたほうがよいなと思うことも結構ある。
 しかし、どうしてもやる気がしない。ところが時間は沢山ある。
 思い切って諦めて、テレビを見て過ごしても、なんだか、そんなぐうたらが心地よく感じられない。
そこで、料理です。料理があるじゃあないですか。

 好きな音楽でも掛けながら、お酒を飲んで、鍋に具材をぶち込んで、あとはトロトロトロトロ、
煙草でも吸いながら、何時間でも煮込みます。
 やっていることは、ただ火を前にしているというだけで、ぐうたらしているのと何も変わりがないのですが、しかし、このぐうたらが着実に旨味に変化しているのです。
 この安心感。
 確かに俺は今日、やることもやらずに無駄な1日を送ってしまった。
 だけれども、きちんと結果は残したぞ。この鍋の旨味に残したぞ。
 
 要は、私にとっての料理とは、心の欲求と、肉体の欲求の均衡なのです。

 最近出会った、新しい味があります。
それは、アンチョビです。
 私、アンチョビって、これまであまり食べたことがなくて、なんだかチョビチョビした食べ物くらいにしか思っておりませんでしたが、実は、美味しい食べ物なんですね。

 そこで、私のお気に入りのレシピをちょっと紹介いたします。

   皮を剥いたニンニクを、切らずにそのまま、水で割った牛乳で茹でます。
   茹で時間はおよそ30分。
   こうすることで、出来上がりのニンニク臭さが驚くほどまろやかになります。
   茹で上がったニンニクを包丁の腹でグニュッ、と簡単に潰しまして、
   それから叩いて、要はミンチ状態にいたします。
   
   アンチョビは、オイルは捨てずに取っておいて、これもやっぱり包丁で叩いて、
   同じようにミンチ状態にします。
 
   フライパンに、先程のアンチョビオイル、オリーブオイル、ニンニク、アンチョビを入れて、
   ひと煮立ち。ひと煮立ちといっても、油ですから、決してボコボコやっちゃあいけませんよ。
   泡が出来始めたら、OKです。
   これで出来上がりです。簡単でしょう。
 
   ビンに入れて冷蔵庫で保管すれば、1ヶ月くらいはもちます。
   使う時は、その分だけ取り出して、フライパンで温め直して、
   この時、適量のバターを加えることをお忘れなく。

   アンチョビ 約50グラム(小瓶)  ニンニク 約150グラム  牛乳 180cc
   水 180cc  オリーブオイル 90cc
   
   そのままパンにつけたり、マヨネーズと混ぜてサラダのドレッシングにしたり、
   しかし、お勧めは、何と言ってもパスタソース、これ、本当に美味しいです。

   魚介の具にも合いますし、ベーコンや鳥もも、まあ、合いそうなものなら何でも構いません。
   これらを炒めて、バターとこのオイルを加えて、茹でたパスタにからめるだけ。
   アンチョビに結構塩気がありますから、パスタはお湯だけで茹でたほうが良いかも知れません。
   お好みで、醤油を挿すと、抜群です。

 これ、本当に旨いですよ。
やる気のない、停滞した夜に、是非お試しを。
やっぱりワインが合うかなぁ。  

Posted by wajin at 19:39Comments(2)TrackBack(0)

2008年01月15日

しゃぶしゃぶ肉

 年賀状に混じって、一通の嬉しい葉書が届きました。
葉書には、「前沢牛」 「しゃぶしゃぶ肉」 「当選」の文字。
 暮れにお歳暮で、あるデパートの通信販売を使ったのですが、そのキャンペーンで、なんと景品が当たったのです。
私、そんなキャンペーンがあることさえ知りませんでしたから、これぞまさに棚から牡丹餅、
なにせ年初めのことですから、こいつは縁起がいいぞ、と思いました。

 以前やはり、年初めのあるお祭りに出店しまして、そのメインイベントである抽選会で、私、テレビを当てたことがあります。
14インチの小さなテレビでしたが、これが特等でして、私、壇上に立たされて、今のお気持ちは?
なんてことを尋ねられました。
その時何と答えたかは忘れましたが、こちらは商売でやって来て、普通に遊びにやって来た人々の楽しみを奪ってしまったことを、大変申し訳なく感じたのを覚えております。
 そのほんの数日後、今度はコンビニエンスストアの三角くじで、大きな熊のぬいぐるみを引き当てました。
これもやはり特等で、いずれも欲しいものではありませんでしたが、今年はどうにもついてるぞ、
ドカンと来るに違いない、そう確信いたしました。

 そこで早速宝くじを買いまして、ところがやっぱり、俗に言う無欲、これを欠いたらいけません。
案の定、かすりもしないで、結構なお金を無駄にしたのでした。

 で、今年。
さいさきよく、しゃぶしゃぶ肉が当たりまして、そう言えば、赤ん坊が産まれたりなんだりで、忙しさに忘れておりましたが、私、年末ジャンボを買っておりました。
 この3億円が当たるという大きなチャンスを、すっかり忘れていたなんて、どうでしょう、
なんだか期待させるではありませんか。
 考えるのはよそう、どうせ当たりっこないんだ。
そんな偽物の無欲ではなく、私、本当に、心の底から、年末ジャンボ宝くじを忘れていたのです。

 どうにも、大きな波がやってくるような気がしてなりません。
なんだかもう、当たっていないことのほうが考えられないようです。

 これ、2、3日前に思い出しまして、それでも私、まだ早い、まだ忘れていよう、なんて、実は少々
努力してしまいました。
きっと、これがいけなかったのだと思います。
結果は、例の300円、これが数枚当たったばかりでした。

 で、私、恥ずかしながら更にやっきになってしまいまして、そういえば、年賀状のお年玉くじって、
15日が発表ではなかったかしら、なんて、思わずインターネットで調べてしまいました。
そうしたら、今年は27日が抽選日なのだそうです。

 ああ、やってしまった。
 完全な勇み足です。
 もう駄目だ。
 がっつく乞食は貰いが少ない。

 無欲がしゃぶしゃぶ肉を呼び、しゃぶしゃぶ肉が、再び欲を呼んでしまいました。
しかし人生って、こういうものなのかも知れませんね。
   

Posted by wajin at 20:56Comments(0)TrackBack(0)

2008年01月04日

正月風景

 新年明けましておめでとうございます。
お正月、如何お過ごしでしょうか。
私は、暮れも暮れ、30日にようやく赤ん坊が産まれまして、正月は病院通いの毎日です。

 お陰さまで母子共に健康で、無事、3,700グラムの大きな女の子が誕生しました。
 出産に立ち会いまして、私、大変な感動を覚えたのですが、しかしこの手の話は、熱く語ったところでどうしても聞く者との間に温度差がありますから、詳細は端折りましてひと言。
 良かったです。興奮しました。久し振りに、とっても素敵な1日でした。

 毎日午頃には病院に着きまして、面会が夜の9時までとなっておりますから、大体10時くらいには家に戻ってまいります。
 およそ9時間もの間、ベッドと小さなふたり掛けのソファがあるばかりの狭い病室で、一体何をしているのかと言いますと、赤ん坊のほっぺたを指で突いたり、テレビを見たり、後は近くのスーパーで買ってきた弁当を食べたりして過ごしております。

 今時、元旦から営業する店も珍しくはありませんが、昔はそんなことはまずありませんでしたよね。
暮れともなれば、お正月用に大量の食料品を買い込んで、これがまた、子供心に、正月独特のワクワクとした気持ちを抱かせたものでした。

 お正月って、何と言っても年の初めですから、あくせくとしたくはありませんし、かと言って、テレビもなんだかつまらない、年賀状も毎年同じ人間から来るばかり、昼間から堂々と酒を飲めるのは良いけれど、実は結構、退屈ですよね。
 その証拠に、元旦から営業しているこの手の店に行きますと、実に多くの人間が、ぶらぶらぶらぶらとしております。で、こういうぶらぶらとしている人間に混じって、私、毎日、お昼と夕の弁当を買っているのです。

 妻には勿論、病院の食事が出ますから、買うのは私ひとり分の弁当だけでして、ところが正月のこの時期です、お惣菜のコーナーには、パーティーセットのような豪華なおかずがズラリと並んで、
普段は主役であるはずの、幕の内やらトンカツ弁当、そんな耳くそのような食べ物は、コーナーの片隅に申し訳程度に積まれているばかりです。
 私、そんなに大きなセットを買っても仕方がありませんから、この片隅に積まれた弁当を手に取りまして、ふと、こんなことを考えるのです。

 辺りを見回せば、家族連れに若いカップル、みんな正月気分に浮かれて、実に幸せそうじゃあないか。
 なに、自分にも新しい家族が出来て、幸せな正月であることは間違いない。
しかし、このカゴの中身の惨めさといったらどうだろう。
から揚げ弁当がひとつ、缶ビールが一本、奮発して買ったポテトサラダの小バック。
これはどうしても、畳が波打った4畳半ひと間かなにかに住んでいる、どてらを着た寂しい中年男の、哀れなお正月そのものじゃあないか。

 そこで私は、犯してもいない罪を罰せられるかのように、いそいそと、カゴの中身を幸せな人々に悟られぬよう足早にレジに向かいます。
 ところがこのレジでも、アルバイトのお姉ちゃんが追い討ちをかけんばかりにこう尋ねます。
「お箸は一膳で宜しいですか?」
これが私には、
「お独りの、寂しいお正月ですか?」
と、聞こえてならぬのです。

 いや、俺にはちゃんと妻がいるから、2膳くれ。
否々、新しい家族が生まれてこんな幸せな時はないんだ、3膳くれ。

 しかし、たったひとつのから揚げ弁当を、3人で分かち合うのかと思われても、これはこれでひどく哀れなお正月になってしまいそうですから、ここはやはり、ぐっとこらえて、
「はい、一膳で」
 これを、連日繰り返しております。

 早く、退院しないかなぁ。

 



 
   

Posted by wajin at 00:36Comments(4)TrackBack(0)