2007年08月14日

流れ星

 流れ星を見ましたか?
一昨日が、ペルセウス座流星群のピークだったそうでして、私、前々から気にはしておりましたが、すっかりこれを忘れておりました。
はっ、と思い出したのが昨夜でして、慌てても仕方ないのですけれど、慌てて表に飛び出しました。
 なんとも、綺麗な星空でした。
しかし、方角が分かっておりませんから、キョロキョロと阿呆のように口を開けて、その内に、すぅーとひとつ、流れ星が流れました。
ピークの1週間前後は流れるといいますから、今夜辺りも、運が良ければ見られるかも知れません。

 一時期、流れ星が大好きだった頃がありまして、流星群が来るとなると、寝袋を持って徹夜で観察をいたしました。
明け方の、茜色に染まった空を、ぼっと燃えて流れた巨大な流れ星、今でもはっきりと思い出すことが出来ます。

 流れ星の醍醐味は、いつ、何処に落ちるか分からない、あっ、と思うと消えてしまう、そんな儚さなのだと思います。
ですからこれを出来るだけ見逃さないように、私の友人が編み出した方法をお教えします。
 まず、横になります。それから、扇風機のように、首を左右にゆっくりと振り続けます。
これだけでは勿論駄目でして、この時、目玉を首とは逆に動かします。
つまり、右を向いている時は、横目で左を見て、左を向いている時はその反対、右を見ます。
なるべくうつろな感じで、焦点を絞らないほうがよいそうでして、事実この人、随分と長い時間、これを繰り返しておりました。
なんだか壊れてしまった人間を見るようで、これでよだれでも垂らしていれば、間違いなく病院行きです。

 インドのカシミール、ここはまさに別天地とも言うべきところです。
深い山々に囲まれた美しい湖、この湖にハウスボートと呼ばれる宿が浮いております。
宿といっても、部屋がひとつしかないような小さな船で、私、この船に3週間ばかり滞在したことがあります。
 陸とは完全に隔離されていますから、運動といえば、船の中を歩くくらいか、たまに湖で泳ぐくらい、もっとも冬になれば、湖が凍って陸地までスケートで行くことも出来るそうです。
ですから、久し振りに陸に上がったときには、足の筋肉が明らかに衰えているのを感じました。

 このボートの屋根に横たわって、毎夜眺めたカシミールの星空、空気が澄んで、怖ろしいくらいに綺麗でした。
星ってこんなにあるものかと、息を呑むようでした。
まるで黒い天幕に、針で小さな穴を無数に開けたかのようでした。

 その星々の合間を縫うように、下から上に、一定の速度で動く小さな光があります。
一瞬、ドキッ、といたしましたが、宿の親父は、ロケットだと笑いました。
人工衛星が見えるんです。
 そうかと思いきや、また別の方角に、今度はジグザグと、Zの字を描くような不思議な光を目撃しました。
あれは何なのだと尋ねますと、さすがの親父も、分からない、と真剣な顔をしました。
あれ、UFOではなかったかなぁ。

 以来、夜空を眺めるたびに、不思議な光が見えないものかと期待しますが、ついぞ今日まで、再びあの光を目撃することはありません。
しかし、そんな時に限って、すぅーと静かに、星が流れるのです。
流れ星って、実は毎日流れているのだそうですね。  

Posted by wajin at 11:58Comments(0)TrackBack(0)